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2011/08/20 (Sat)
ちょっと小説っぽいの書くよー



『 さえこ 』


小学3年生から、卒業するまで同じクラスで、中学も一緒で、高校3年間もずっと一緒だったやつがいる。
ずっと。
ずっと一緒に馬鹿やってきて、唯一無二の親友ってヤツで。
気がつけば10年も経っていた。
仲違いをしたのは、高校を出て1年位した頃だった。
高校卒業後、俺は運良く親父のコネで、中小企業に勤めることができて、毎月少ないながらも自分で汗水たらして稼ぐって事に、ガラじゃないけど感動したりしてた。
アイツは、頭も良かったからいい大学に進学できたけど、仕事で付き合いの悪い俺にどうも愛想を尽かしたらしかった。
10年来の親友だってのに、俺は少し寂しかった。
勤めて1年、進学して1年。
何がきっかけだったか覚えていない。
すごい喧嘩をした。
殴りあうくらいまでになった。
お互いぼろぼろになっても、俺たちはお互いを許せずに、一切のやりとりを止めた。

それから更に10年。
三十路手前で、職場でもなんとか中堅どころになってきた。
アイツのことはよく知らない。
風の便りに、大学は3年の途中で辞めて、起業したとかなんとか。

そんな、ある日。

俺の名前は、柏木孝博(カシワギタカヒロ)。
アイツの名前は、鏑木明仁(カブラギアキヒト)。

名前が、よく似ていたんだ。
だから仲良くなった。


「鏑木さん、これ忘れてるよ」
仕事で、営業周りの途中だった。
オフィスビルが立ち並ぶ街角の、一歩路地へ入れば飲食街が軒を連ねているようなところで、昼時だった。
どの店も混んでいて、俺の胃袋も早く満たされたがっていた。
一瞬、自分が呼ばれたのかと振り返ったが、違った。
そして心のどこかで、初対面の時のことを思い出していた。
名前の呼び違いがよくあったんだ。
「やだ、ありがとう~」
そこにいたのは、若い女性だった。
ふわっと緩やかなパーマのかかった、茶色い髪の。
「鏑木さん、おっちょこちょいだよねー」
クスクス笑い合う、女性二人。
鏑木と呼ばれた女性が、俺の視線に気付いたのか、こちらに目を向けた。
どきりとした。

面影が…

「タカヒロ、くん?」
彼女が小さく言った。
「鏑木さん、知り合い?」
「あ、うん、えっと…先に戻っててくれる?」
俺の名を、口にした。
確信した。
「おーけい、郵便局寄ってるって言っとくわー」
もう1人の女性は、ちらりと俺を見遣り、意味深に笑むと、すたすたと歩いて行ってしまった。
「えっと…孝博くんだよね?柏木…」
近づいて、俺に微笑んだ。
「ああ…鏑木…さえこちゃん、だよね」
アイツの、妹だ。
「わー、覚えててくれたんだ」
「そりゃ、10年来の親友の妹の顔くらい」
「でも、もう疎遠でしょ?」
「まあ」
にっこりと、屈託なく微笑む。
3つか4つ下だったと思う。
「孝博くん、懐かしいなー」
「はは、そうだね」
「ねえ、今夜空いてる?ご飯食べようよ」
これはちょっと、予想外だった。
「え…」
「だってすごく久しぶりなんだもん、駄目かなぁ?」
「いや、いいけど…」
「じゃ、19時に、そこの・・・月夜荘ってカフェで待ち合わせ、大丈夫」
「ああ、いいよ」
「じゃ、あとでね」

そんなわけで、会社に戻ってから早々と仕事を切上げ、俺は待ち合わせ場所へと向かった。
店の前に、彼女は立っていた。
昼間は、グレーの、いかにもOLといった制服を着ていたが、今はひらひらとした小花模様のスカートにデニムの上着を着ていて、まるで印象が違った。
「ごめん、遅れた?」
「ううん、早いくらいだよ」
昼間は本当に、制服のせいだろうか?OLさんという感じだったのに、今だと、大学生でも通用するんじゃないだろうか?
何にせよ一つ言えるのは、10年前とは違い、幼さが抜けて綺麗になったという事だ。



※途中




アダルティーな小説書きたかったのに本題にいけないのでざっと飛ぶ(笑)



・・・・・

酒に酔ったのか、さえこは上機嫌のまま俺の腕に自分の腕を絡めてきた。
「うわぁ、ふらふらするー」
クスクス笑いながら、上目がちに俺の顔を覗き込んでくる。
「飲みすぎなんじゃないの?大丈夫?」
「うーん、確かにちょっと、のみすぎかもー」
タクシーを拾おうにも、なぜか通りがかりもしない。
「たかひろくーん」
ぎゅむぅ、と俺の腕を抱きしめるようにして、さえこは上目遣いで俺の顔を覗き込んできた。
なかなかいい感触が…
「さえちゃんちょっと、胸、当たってるって、気持ちいいけど」
こういうのはかるーく、冗談みたいに言うのがいいんだよな、とか思っていると、さえこは唐突に立ち止まり、口を開いた。
「きもちいの?」
酔っているせいだろう…濡れた瞳がいやに艶っぽくて、その気はなくともドギマギしてしまう。
というか、変な気起こしそう。
「さえちゃん?」
「きもちい事…したい?」
俺たちが立っていたそこは、まるで示し合わせたようなように、男女がお互いの身体を求め合うような場所だった。
「さえちゃんが…」
ほんの少しうつむいて、唇を噛む姿が可愛くて、俺は少しイジワルを言った。
「さえちゃんが、したいんじゃないの?」
途端に、酔って赤くなっていたのに、更に真っ赤になり、さえこは頬を膨らませた。
「たかひろくん、イジワルだわ、私が質問してる、んっ?!」
文句の途中で唇を塞がせてもらった。
俺はすっかりその気になってしまった。
誘われてほっとくわけにも行かないし。

さえこの唇は柔らかくて、マシュマロのようにふわふわして、甘い酒の味がした。
頭を押えて唇を押し当ててすぐは、さえこも慌てたように俺を押しよけようとしたが、
舌を押し込むと、びくりと肩がこわばり、ゆっくりと応え始めた。
上の前歯の、内側の歯茎を舐めると、大いに反応した。
おずおずと俺の唇を舐める舌を絡めとり、腰が震えるほどのキスをした。

ホテルの前で10分近くもキスをしていた。
息苦しそうに俺の上着にしがみつくさえこが可愛くて、唇を話した後は頬に口付けながら、耳元へ息を吹きかけた。
「ひゃぁっ、や…」
耳の内側を舌先で舐めると、可愛い声が漏れてきた。
手を腰からヒップへ、それから背中へと撫でるように移動させ、俺はさえこの反応を楽しんだ。
「さえちゃん」
耳元で囁くと、また反応した。
可愛いな。
「たっ、たかひろく…」
「言ってごらん?」
肩で息をしながら、さえこは少し眉を八の字にして、俺の顔を伺った。
「え・・・?」
「気持ちよくして欲しいって」
また、顔が真っ赤になった。
ぎゅぅ、と俺にしがみついてきて、胸元に顔をうずめてしまった。
「さえちゃん?」
何か言ったような気がしたが、くぐもってよく聞こえない。
そっと、背中から副の中へと手を滑り込ませ素肌を撫でた。
「あっ、やぁ、やっ…」
やっと顔を上げて、俺を見た。
「ん?」
「やっ、たかひろく…んんっ、おねが…し、て」
背中が弱いらしい、ふるふると首を横に振りながら、懇願するように声を上げた。
「んー?今してるけど?」
「やぁっ、も…いじわる、こんなとこで、いや、お願い、ホテルで…」
「しょうがないなぁ」
くすくす笑いながら、服から手をもどして、その手でさえこの肩を抱き、俺たちはようやくホテルへと足を向けた。
さえこは酔っているせいもあるのかもしれないが、なんだか歩きにくそうで、俺にしがみついたままふらふらとしていた。



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